SKILLよりWILL
突然ですが初めて会う人に
自分をどう説明するか?
と改めて聞かれると結構
難しいですよね。
自分のことを全く知らない
人に自分をどう説明して、
信頼してもらうのか?
そんな本を読んでいると、
アルピニストの野口健さんの
例が紹介されていました。
それは亜細亜大学の一芸入試で
野口さんが見事合格をつかんだ
「離れ技」の話。
ある意味野口さんならではの
話であって、必ずしも万人に
当てはまる話ではないかも
しれないですが、面白かったので
皆さんにもご紹介します。
亜細亜大学の一芸入試とは、
その名の通り自分の「一芸」
を試験官にプレゼンして選抜
される試験。それ以外の学力
試験は一切ありません。
ですので、毎年全国各地から
一芸に光る受験生が集まります。
試験当日には、
「私はインターハイで優勝しました!」
「私は国際コンクルールで入賞しました!」
という具合にまばゆいばかりの
経歴が次々と披露されるそうです。
野口さんいわく、
「自分は高校まで勉強で落ちこぼれ、
不良のレッテルを貼られていた。
一芸入試も学科試験がないという
安易な理由だけで受けたもの。
停学を食らったときに「登山」に
出会ったものの、このときはまだ
2つ登っただけ。登山家と言える
だけの実績も腕もなかった」
と、ビビってしまったそうです。
そして、
「こんなすごい受験生の中で、自分
の何をアピールしろというのか?」
と試験会場でひとり
追い詰められたそうです。
でも、他の受験生の輝かしい話を
さんざん聴かされているうちに、
ふとあることに気が付きました。
「これってただの自慢話じゃん!」
みんな「過去」は確かにすごい。
でもだからどうだというのだろう?
受験生たちは輝かしい過去を
自慢しているだけだ!
野口さんは大胆にもそう開き直ると、
視野を「未来」に向けてました。
そして、自分の順番がくると、
入学後の自分はどうなるかを
書き出して伝えました。
1990年8月
ヨーロッパ大陸モンブラン登頂!
1990年12月
アフリカ大陸キリマンジャロ登頂!
1992年9月
オーストラリア大陸コジアスコ登頂!
1992年12月
南米アコンカグア登頂!
1993年6月
北米マッキンリー登頂!
1994年12月
南極ヴィンソンマッシーフ登頂!
1996年1月
ロシア エルブルース登頂!
1997年5月
アジア チョモランマ登頂!
「私を大学に入れてくれたら
こうなります!」
野口さんは、7大陸の最高峰
制覇を期限付きで予告した。
自慢できる経歴がないから
それしかやりようがなかった
というが、他の受験生とは
まったく違うプレゼンテーション
に試験官たちは身を乗りだして
拍手喝采!だったそうです。
そして野口さんは見事合格。
入学後は史上最年少で7大陸
の最高峰を次々と制覇。
大学は未知の若者を信頼して
機会をひらき、若者はそれに
応えて大学の名誉を上げた。
野口さんの話だと、この時の
「自慢組」は試験に落ちた。
試験官は受験生たちの輝かしい
「スキル」より、野口さんの
「ウィル」に賭けた。
経験、実績、実力も何一つ
持たない若者が自分を「意思」
で証明し、輝かしい経歴の
持ち主よりも人の心をつかんだ
というストーリー。
こうゆう話っていいですよね。
僕も特に輝かしい経歴もない
ですし、人に自慢できるような
スキルもない普通の人間なので、
とても勇気づけられます。
ちなみに、僕は野口さんの
プレゼンには「時間」が
入っていたことがミソだと
思いました。
なぜかというと、
時間を入れてなければ、
単なる「自分の夢」を
語るだけで終わってしまうから。
時間を入れるということは、
様々な事柄を判断しなければ
ならないので面倒です。
また、期限を設けることで、
それが果たせなかったときも
明らかです。
だからこそ、野口さんの
「WILL(意思)」は
潔く、説得力があった。
失敗のリスクがあるからこそ、
信頼されたんだと思います。
野口さんのように困難な目標で
ないまでも、僕も今の自分の
「WILL=意思」を人にしっかりと
伝えられるようになりたいなと
思いました。
42のオッサンですがまだまだ
頑張ります!
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